現時点での佐藤賢一氏一番の出来
今のところ、佐藤賢一氏のベストの傑作ではないだろうか? 大いなる欠点と大いなる才能をもった愛すべき主人公、その主人公の傍 を離れることなく、いつもヤレヤレと思いながらその尻拭いをする理解 者、全霊をもって忠誠を尽くすことのできる主君、優れたライバルの存 在等々、構成からいうとこの作品が一番完成度が高いと思う。また、百年戦争の前半部分(ジャンヌ・ダルクが登場する前)について いくつかの戦闘を除くとほとんど知らなかったので、この本により初め て知ったことが結構あった。この点での記啓蒙的要素+随所にでてくる 司馬遼太郎的なウンチクが、この本をベストと思う所以。 余談だが、この小説には、これまた傑作漫画「アルカサル」に登場する 人物が出てくる。ただ、漫画のほうと全然キャラが違う。また、漫画の ほうは途中で中断したままだけど、その結末がこの小説で描かれてる。 なので興味のある方は読み比べてみて欲しい。
ふりまわされて。
主人公に惚れた。 どの人物が実在したとか、歴史がどうとかは些細な事で ひたすら魅力的なベルトラン・デュ・ゲクランという愛すべき傑物の はためく裾になんとかつかまりふりまわされつつ あきれてみたり怒ってみたり笑ったり唖然としたりするうちに 忘れがたい存在として心に居座っている事に ラストで気づくのだった。 傑作。
ストーリーは軽快
〜こうした類いの出世物語は痛快である。 しかもその舞台が中世フランスと、私たちがあまり知り得ない世界のことであり、そのミステリアスさが想像を逞しくさせる。 歴史小説家の力量は、その文章で如何に読者の想像力を掻き立てられるかという、まさにその一点にかかっている。戦闘シーンはそのものに勢いがあるので、余計な装飾は野暮になる。「一流」で〜〜あるかどうかは、戦闘以外のシーンの描かれ方に出る。 歴史を「事実よりそれらしく見せる」(小説のみに許される)ウソのつきかたが不自然で、明らかに目立ってしまっている。これでは流れに乗って読んでいるほうは興醒めしてしまう。〜
新潮社
双頭の鷲〈上〉 (新潮文庫) 傭兵ピエール〈上〉 (集英社文庫) 傭兵ピエール〈下〉 (集英社文庫) カルチェ・ラタン (集英社文庫) 王妃の離婚 (集英社文庫)
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