双調平家物語〈1〉序の巻 栄花の巻(1)



双調平家物語〈1〉序の巻 栄花の巻(1)
双調平家物語〈1〉序の巻 栄花の巻(1)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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平家物語?

なんでか、本第一巻は中国の安禄山やら楊貴妃のお話です。橋本ならではの人物描写、心理分析、
が抜け目無く書き込まれていて、中国古典がすごくわかった気がしました。日本人と比較して割り切りが
良すぎる現実主義的な中国人の気性(今でも全然変わらない?)が印象にのこります。
そうやって歴史は流れていくのでしょう。歴史といっても支配者の歴史で、それは権力欲が
捏造しては積み上げた大義というものを掲げながら移り変わっていくのです。
次巻からは平家物語になっていくのでしょうけど、その時代の人間を知る上でこの中国史
第一巻はあるのでしょうか?
だぶんそうだとおもいます。橋本先生のお話は多少(多々?)くどい場合がおおいですが
それがあとで話をかなり立体的に面白くしてくれます。


文庫化熱望

大学時代に『窯変源氏物語』を読み、すっかりハマってから十数年。最初はなんとなく重そうと敬遠していた本書です。高いので地元図書館で借りて読んだのですが、学生時代、日本史が好きだった人なら絶対にハマること請け合いです。序の巻は中国の古代史ですけれど、大陸から書き始めることによって、日本史の流れがわかります。
早く文庫化しないかとクビを長くして待っている今日この頃です。
始まりはとつ国

 橋本治の『平家』は、いきなり中国の話から始まる。何故かと言えば、『平家』の原典に「逆賊、佞臣」の例として中国の人物が列挙されるからなのだが、、第1巻はほとんどまるまる中国の話で終わる。一体平清盛はどこへ行ったのだ?

 しかしこれが面白い! 語り口が巧みで、どんどん引き込まれてしまう。原典に列挙されている人々は本当に「逆賊」だったのか?という視点が提示され、また、「天命を聞いた」と言えばどこの馬の骨でも皇帝になれる中国と、建前上「万世一系」の天皇が現在まで存続している日本では「佞臣」の意味が異なる、いや、そもそも「叛臣」というものがあり得ないのでは、と。かの有名な玄宗皇帝と楊貴妃が登場する「安禄山」の項など、一つの歴史短編として十二分に楽しめる。  歴史物はどうも、という人も是非手にとってほしい。実在したはずの彼らも、実際にあったはずの出来事も、時が経てば物語になってしまうのだ。まさに、すべては春の夜の夢の如し。



中央公論社
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