「超」発想法 (講談社文庫)



「超」発想法 (講談社文庫)
「超」発想法 (講談社文庫)

ジャンル:自己啓発,能力開発,意識改革,自己改革,学習,能力発見
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発想法というより発想に関する勘違いを批判する本

超発想法というタイトルではあるが目新しく具体的な方法論を提示しているわけではない.安易で場合によっては有害にもなる発想法に対する批判や分析が本書の主な価値だと思う.カードを使った発想法や不勉強なまま考える続けることが如何なるときに如何に有害かが平易に説明されている.「発想法」と呼ばれているものに疑問を感じている人や妙な方法論を押しつけられる立場にいる人はご一読を.また,本書では発想を支援する環境や発想を阻害する環境についても触れられているので,この内容を普段の生活習慣,勤務先,出身校,家族に当てはめて考えてみるとなかなか面白いかもしれない(不愉快かもしれない).

肝心の「超発想法」については,著者のいう「発想は知識(や経験)のストックから生まれる」とか「(同じことを)考え続けていることが決定的に大切だ」とかというのは全面的に同意できる.だけど,それらは別に本書で新しく述べられたことではないし,実際に多くの人が当たり前のように実践していることだ.これらの指摘に加えて脳の研究や心理学の研究の紹介や「研究というのは発想や発見を行なうことではなく調べ尽くすことである(誰の言葉か忘れた)」という指摘もあればよかったと思う.あと,意識に上げて考える対象を無意識のうちに絞り込むプロセスとそのための訓練に関しては,本書よりもプロ棋士(羽生氏とか)の本の方が詳しい.

最後に,この本で強調されている詰込みの大切さや型の大切さは大筋では同意できるものではあるが,曲解・悪用されやすいものであることも指摘しておきたい.本書には詰め込む内容の選別方法や成功体験の適用範囲に関する記述が(ゼロではないが)非常に少ない.詰め込む内容や型が学校を卒業するまでしか役に立たないことだってあるし,反社会的とまではいかなくても劣悪な組織文化を肯定しない限り役に立たないことだってあるのだ.
要は 一生懸命勉強して 考え抜く事って訳です。

これまでのKJ法などはすでに頭の中でやっているので、わざわざ手法を学び、髪に書き出すのはナンセンスと言われ、成功例がでてこない手法に疑問を持っていたので、この本を読んで共感しました。

あとがきには、この本のキーワード

超発想論の方法論として
A「発想とは誰も考えつかなかった独創的なものを考え出すこと」という思い込みをやめる。そして「少なくとも出発点は模倣的なものでよい」
Bとにかくはじめる。準備ができていなくてもよい。全体構想がなくともよい。とにかく仕事に着手するのだ。仕事を始めてさえすれば、そして、それについて考え続けさえすればアイディアはでてくる。
このABを悟ったのはkの本を執筆の最終段階になってからのことだ。

独断的に要約すると、
・ニュートンもアルキメデスも偶然的に発見したのは、いつも考えていたから。そうあんると、何かのきっかけで、突然爆発する!
・環境は大事
・模倣でしか発想できないので、情報を頭に詰め込むだけ詰め込め
てな内容です。まあ、一度読んでみてくだされ。

ビジネスにおける自分のバイブル

野口悠紀雄フリークの私であるが、超整理法と並ぶ名著だと思う。本文で紹介しているニュートンに関する「『考え続けていたからこそ』りんごが木から落ちたことで万有引力を発見した」というエピソードは強烈な印象を持った。それ以来「考える」、「考え続ける」ことだけが、発想の条件であると信じている。
発想法5原則!

要約すると、著者の発想法の5原則は以下のとおりである。
1.模倣なくして創造なし。
2.アイデアの組み換えは、頭の中で行われる。
3.データを頭に詰め込む作業、すなわち勉強、暗記が必要。
4.環境が発想を左右する。
5.強いモチベーションが必要。
この5点に集約されている。もちろん、こうしたから必ず発想できるわけではなく、
発想できる確率が高くなるということである。

印象に残ったのは、2.のアイデアの組み換えは頭の中で!という部分である。
よくアイデアをカードに書き出して分類して発想を得るというが、これが
大きな間違いであるというのが著者の主張である。ある意味、KJ法を真っ向から
否定している。

それと、無からは何も発想が出ない。頭に大量のデータを暗記して、それを模倣したり、
組み替えたりすることが、新発想の素になるという。これには、私も同感である。
自分の都合のいい例だけでなく、反例や例外についても言及している点が、好感が持てる。
従来の、発想法とはずいぶん違う著者のオリジナルがあるので、手にとって見てはいかが
でしょうか。

ただし、本書は、2000年3月に単行本として発行されたものと内容は
同じである。
発想法に関する良いレビュー (一部データは古いが...)

2000年3月単行本で刊行された本の文庫化です。単行本を人に譲ったため、文庫本を購入し直して久々に読んでみました。序論で当時の「ITの現在及び未来」が語られているのですが、さすがに時代遅れです。しかし、本論は今でも十分読ませる内容を保っています。「超」発想法の基本5原則は、数々の「発想法の古典」(*)に基づいているモノであり、古臭くなるという代物ではありません。先日「先を読む頭脳」(羽生善治、伊藤毅志、松原仁)を読んだところですが、結構共通する主張があって、かなり興味深かったです。(例:発見は審美眼による(無意識的)選択、考え続ける「継続力」の重要性) その意味で安心して読めます。(「知のソフトウェア」(立花隆)が今でも十分「読ませる本」であるのと同様ですね) 引用文献がしっかりしていますし、索引もついているのは親切ですね。
とは言え「パソコンはアイディア製造機」という章で、「10年後に本書を改訂する機会があれば、本章がもっとも重要な位置を占める可能性はおおいにある」と書いてある位なのですから、この文庫化の機会をとらえて是非内容を改訂して欲しかったですねぇ。今やWeb2.0な世界なのですから。本書はWeb2.0の気配すらなく、GoogleやAmazonが全く出てきません。そこを考慮して★1つ減。(この辺りは「ウェブ進化論」(梅田 望夫)などの最近のWeb2.0な本で補う必要がありますね)
(*)本書の基本文献:「科学と方法」(H.ポアンカレ)、「数学における発明の心理」(H.アダマール)、「いかにして問題をとくか」(G.ポリア)、「物理学者はマルがお好き」(L.クラウス)、「アイディアのつくり方」(J.W.ヤング)



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